東京 上野にあるEdTech企業「株式会社 インフォザイン」は、同じフロアにオフィスを構える編集デザイン会社「株式会社 デジタル・アド・サービス」と合同で、沖縄県の竹富島より夏休みで東京を訪れている子どもたち(主に小中学生と保護者)を対象に「会社見学」を実施。
同時に竹富島にいる子どもたちともオンラインで結び、対面とオンラインのハイブリッド型ワークショップイベント「遊んで学ぶ EdTechとデザイン」を開催しました。
インフォザインは2001年に設立され、ITと教育の分野でのイノベーターとして成長を続けており、現在ではオンラインアセスメントに対する取り組みを進め、教育の未来を創る活動に貢献をしています。
また、デジタル・アド・サービスは、現在は多くの小中学校の授業で使用されている「デジタル教科書」を創生期から制作しているなど、教育業界での実績が多い編集デザイン会社で、日頃から、中学生、高校生向けの職業体験などを実施しています
今回は、夏休み時期ならではの遠方からの子どもたちの訪問を受け入れることとなり、楽しく学べる時間を提供できるよう準備を進めました。
一方、東京から約2,000km離れた沖縄県八重山地方にある竹富島には小中学校が1校あり、小学1年生から中学3年生まで30名ほどの子どもがいるとのこと。
この夏も、新型コロナウイルス感染症の影響で子どもたちのイベントも中止が続いているという話を知り、島で夏休みを過ごしている子どもたちにも一緒に楽しんでもらえるよう、Zoomを使用してオンラインでも参加できるワークショップを実施することとなりました。
2022年8月16日(火)13:00〜15:00
「遊んで学ぶ EdTechとデザイン」
プログラム
(1)オフィス探検
(2)デザインのおはなし
(3)Edtechのおはなし
(4)Kahoot!を使ったオンラインクイズ大会
学校と教育委員会にも協力をいただき、子どもたちは当ワークショップに学校から支給されているChromebookで参加しても良いという許可をもらえたことで、家庭に端末がないために参加したくても参加できないという心配もなくなりました。
インフォザインとデジタル・アド・サービスのオフィスは2016年に湯島天神の近くから今の場所に移動し、2つの会社で同じフロアを共用しています。
大きな窓の外には上野恩賜公園の不忍池が広がり、遠くにはスカイツリーを眺めることができる、都会的な中にも自然、芸術、文化を感じられるロケーション。
オフィス内にもギャラリースペースやラウンジとして使用できるフリースペースがあることが特徴的です。
ワーキングスペースは一人一人のデスクが広々としており、空間を仕切る壁が少ないことで見通しの良い環境です。
そんなオフィスの中を、島の子どもたちに探検してもらいました。
オンラインでの参加者からも
「とても素敵なオフィスで、窓からの景色も最高ですね!」
という声が上がりました。
小学1年生から中学3年生までの子どもたちに向けて、「デザインのおはなし」の時間を担当したのは、デジタル・アド・サービス、デザイナーの安島嘉孝(あじまよしたか)。
トイレのサインを例にわかりやすく解説しながら「いろいろな『モノゴト』をたくさんの人に、わかりやすく、Positiveに伝える」ことの大切さをやさしい言葉を選んで話をしました。
会場にいる子どもたちだけでなく、オンラインで視聴している子どもたちからもチャットを通して質問や意見がリアルタイムで届きました。
「デザイナーとイラストレーターの違いは何ですか?」
「デザイナーがイラストレーターに仕事を依頼するとき、どのように依頼をするのですか?」「今、安島さんは具体的にどんなデザインのお仕事をしていますか?」
「私もデザイナーになりたいです」
など、ワークショップ終了後もメッセージのやり取りが続きました。
比較的わかりやすいデザインの話に続いて、子どもたちには少し難しいかと思われた「EdTech」の話を、CBT(Computer Based Testing:コンピュータを使ったテスト)やクイズアプリKahoot! を例にあげて解説したのは、小学校教師からエンジニアに転身した経歴をもつインフォザインの川路洋太(かわじしょうた)。
EdTechとは、教育(Education)と テクノロジー(Technology)を組み合わせた言葉で、テクノロジーを用いて教育業界にイノベーションを起こす仕組みやサービスのことですが、デジタルネイティブの子ども達にとってはもはや特別なことではないのかもしれません。
ここ数年の間に、子どもたちは学校から一人一台のChromebookが支給され、授業でもコンピュータを活用しているとのこともあり、参加者はCBTをすぐにイメージができた様子。
想像以上に的を得た質問や意見が多く飛び出しました。
「先生の採点が楽になりますね。」
「家でCBTでテストをしたら、カンニングし放題なのでは?」
「国語の作文とか英語の発音とかも採点できるんですか?」
「テストは何のため?先生が評価するためのテストではなく、自分が理解していることを確かめるテストならいい。」
など、現在進行形でCBTの領域が取り組んでいる課題が子どもや保護者、先生方にも知ってもらえるきっかけになりました。
最後に、子どもたちにCBTを遊び感覚で体験してもらえるよう選んだツールは、ノルウェー発のクイズ作成アプリ「Kahoot!」。
Kahoot! とはインターネットがあればどこでもオンラインのクイズ作成やクイズ大会が可能。
クイズに参加するのは無料で、面倒なアカウント作成も不要。
クイズを作成するのは、ドラッグ&ドロップで子どもでも簡単に操作でき、まずは無料版でも十分活用できます。
実際にクイズ作成を学んだ後は、現地とオンラインのハイブリッド環境でのクイズ大会を開催しました。
「上野動物園には今、パンダは7頭いる?」
「沖縄県で一番高い山は何メートル?」
などの四択問題、◯×題、並べ替え問題、短答式問題など全10問に、各自がパソコン、タブレット、スマートフォンを操作して、全員一斉に解答をしながら、速さと正確さで順位を競いました。
問題を1問解く毎に、時間制限もあり、順位が入れ替わる様子も画面に映し出され、ドキドキの楽しい時間を過ごして盛り上がりました。
「クイズ楽しい!」
「今まで子どもたちが問題に答えるのは見ていましたが、作るのも楽しそうだと思いました。」
「学校で円滑に使えるようになったらとても楽しそう!」
などの感想が届きました。
デジタル・アド・サービス デザイナー 安島 嘉孝(あじま よしたか)
概念を伝える。
デザインという概念をニュアンスではなく、定義づけて、言語化することにとても難儀しました。
そして普段、説明が固くなりがちな私なんですが、皆さんが元気に返答してくれるので、こころなしか明るくお話ができたと思っています。
オンラインでの打ち合わせが多い中で実際にあって、リアクションが見れるのが、久しぶりの感覚で嬉しかったです。
そしてこの概念を伝えるという中で、改めて「デザイン」について考える機会になりました。
このような概念を持った職業がある知ることで、子どもたちの進路選びの一助になれたら幸いです。
インフォザイン エンジニア 川路 洋太(かわじ しょうた)
「CBTってなに?」ということをお話しさせていただきました。
紙のテストとの違いやCBTにするメリットが少しでも伝わっていたら嬉しいです。
チャットで質問をしてくれたり、リアクションしたりとコミュニケーションを取ることができました。
zoomを繋ぎ、Kahoot!で同じクイズに挑戦するのは白熱したので、実際に教室で取り組んでも楽しいだろうなと思いました。
学校でCBTシステムを使って学力テストなどをしたときには、ぜひ感想を聞いてみたいです。
今回のワークショップを通して、運営側としても学びがたくさんありました。
現地とリモートでの同時開催ということで、音声が途中聞こえづらかったり、進行に時間がかかった場面もあり、作成したクイズも正解がわかりづらかったなどの反省点がたくさん。
またの機会があれば改善をして臨みたいと思います。
最初は各家庭の子ども達が約束の時間にインターネットでZoomに接続できるだろうかという心配もありましたが、画面に参加者達が現れたときには、参加者同士も嬉しそうに挨拶をしていたのが印象的でした。
子どもや子ども達を取り巻く大人達にとって、今回のワークショップが新たな発見のきっかけとなり、EdTechやデザインを理解して、「やってみたい」という人が現れてくれると良いなと思いました。
そして、私たちもそのような人を応援する企業になりたいと思います。
「株式会社インフォザイン」は、東京 上野にオフィスを構え、教育とテクノロジーを融合させたEdTech分野でビジネスを展開しています。
「オープンソースとオープンスタンダードを活用し、教育の未来を創る」ことを目指し、特に力を入れているのは、ルクセンブルクのOAT社が開発したWebベースでアセスメント・テストを実施するためのCBT(Computer Based Testing)プラットフォーム「TAO」をベースとした新サービスの開発と提供です。
オンラインアセスメントのためのSaaS版CBTプラットフォーム「TAOクラウドJP」をはじめ、学力調査、入学試験、検定試験などのCBT化に実績のあるアセスメントサービスを提供しています。
また、教育DXを推進するため、教育に興味を持っているITエンジニアはもちろん、教育分野に課題意識を持っている人材も広く募集しています。
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