TAOの開発元であるOTA社のブログより、引用し翻訳しています。
引用元:https://www.taotesting.com/ja/blog/3-questions-to-ask-before-adopting-assessment-software/
今、教育現場では、EdTech*(エドテック)が児童生徒の学習に不可欠な要素となっていますが、多くの学級で対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型教育が行われるようになったことで、様々な懸念も生じるようになりました。その中でも、アクセシビリティ、セキュリティ、平等性は今後の重要課題と言えるでしょう。
授業で何らかの新しいEdTechツールを導入する際にも、安心して使用できる拡張性の高いものを選ぶ必要があり、そのためにはこれまで以上に慎重に検討しなければなりません。
一方で、従来から教員や管理者の大きな負荷となっている紙ベースのアセスメントプログラムをオンラインで、デジタルで行う仕組みに移行も進んでいます。学校や教育機関がアセスメントをオンラインで行うために新たにソフトウェアを導入することを検討する場合、市場にはいくつもの選択肢があり、新しい製品を検討したり、その機能の比較や見極めを行うことは簡単ではありません。
ここでは、児童生徒・教員・管理者が、教育現場でより良いEdTechツールを導入し活用できる環境を可能にするために、新たにアセスメントソフトウェアを導入する前に確認すべき3つのことをご紹介します。
*EdTechとは、教育(Education)と テクノロジー(Technology)を組み合わせた造語
新たなEdTechツールを導入する際、作成するコンテンツの種類から、カスタマイズ、構成、統合、セキュリティ、サポートといった技術的な問題にぶつかることが予想されます。そのような一般的によくある問題の多くを事前に回避するためにも、最新のアクセシビリティ基準に準拠している、アクセシビリティ* の高いアセスメントソフトウェアを採用することが役立ちます。
また、児童生徒それぞれの能力に合わせた学習の個別化を可能にするためにも、アクセシビリティの高いソリューションに投資することが賢明です。
例えば、何らかの障がいがある児童生徒がいる場合、アクセシビリティの高いアセスメントソフトウェアを採用していれば、負荷なく、全面的に統合された方法で適切な対応を行うことができます。アクセシビリティによって、能力の異なる児童生徒がそれぞれのやり方で簡単にプラットフォーム(動作環境)を使用したり、最適な学習成果を得たりすることが可能になるからです。
一般的な教育用アクセシビリティ機能としては、拡大表示やフォントの調整(サイズ、色、間隔)などの他、以下のようなものがあります。
上記のような、音声合成機能などの機能が利用可能になることで、「視覚的サポート」などの手助けが不要になり、障がいのある児童生徒が特別対応を受けるために別教室に移動しなければならないということもなくなります。
デジタルアセスメントプログラムがアクセシビリティに配慮して設計されていることで、潜在的に受験可能ユーザー数が増え、EdTechを本来の目的で推進し、教育内容の質をより高めることができるでしょう。
* あらゆる人に対しての使いやすさ、操作性の良さ
アセスメントソフトウェアを導入するメリットの一つに、児童生徒のデータを最大限に活用することができるということがあります。彼らの学習意欲を高めたり、成果が総合的に記録されたりと、児童生徒と教員の両者にとって良い効果が得られるのです。
データの相互運用性に考慮して設計されたアセスメントソフトウェアにより、システム全体からのデータの使用が可能になり、データの品質が高まります。その結果、限られたリソースを効果的に配分することができるようになります。
例えば、支援を必要としている児童生徒が必要なサポートを受けられるようになり、全員がそれぞれにカリキュラムを遂行でき、全体的な学習の質が向上します。
データ活用に適したアセスメントソフトウェアには学習したことを自分の言葉で説明したり、一連の用語の関係について説明したり、次のグループの課題やテーマについて考えることを促す機能などもあり、教員は個人やクラスの成績を考察する際に、より詳細な考察を手間や時間をかけることなく得ることが可能になります。
さらに、教員は、それらの児童生徒のデータをもとに、授業計画や指導方法を改善することで、一人ひとりの学習効果を高めることができます。
海外の良い事例をご紹介しましょう。
米国のコネティカット州教育省で、新型コロナウイルスの流行期間中、児童生徒の出席データを対面、ハイブリッド、リモート環境それぞれで収集するシステムを導入した事例があります。
そこでは、地区、学校、児童生徒ごとに分けられたデータ収集を行いました。
それにより、例年に比べて出席率が大幅に低下している区分を特定することができ、例えば英語学習者や障がいのある児童生徒、低所得家庭の児童生徒など、サポートが必要な児童生徒に重点的にリソースを配分することができました。
高度に統合されたEdTechデータソリューションは、データの安全性とセキュリティに関する規格に沿っていなければ意味がありません。
児童生徒のプライバシーだけでなく、学校システム内で活動するすべての関係者のデータセキュリティが危険にさらされる可能性もあります。
LTI®* のような相互運用性技術標準は、IMSセキュリティフレームワーク(IMS Security framework)を基本にしていますが、相互運用性技術標準を用いることで、アセスメントソフトウェアへの投資が情報漏洩防止に最大限に活かされるようになります。
下記に、LTI®に準拠したアプリケーションの機能の一例を紹介します。
採用するアセスメントソフトウェアが、データセキュリティ基準に沿っていれば、データ・場所・役割におけるセキュリティを保ちながら、元々使用しているツールやクラウドベースのアプリケーションの運用を最適化することが可能になります。
* Learning Tools Interoperability 。LTIに準拠した教育ICTツール同士の相互連携を実現するために策定された、技術標準規格のこと。
EdTechや学習ツールはもはや、単一システムで利用するものではありません。
eラーニングを導入し始めたばかりの場合では、統合する必要のある他のシステムをそれほど持っていないかもしれません。一方で、従来からのツールをいくつも導入している場合は、新しいアセスメントプラットフォームと総合的に動作させる必要があるでしょう。
いずれの場合も、複数のシステムを全面的に統合できる仕組みを構築し、せっかく持っているデータが連携されていないという状態をなくし、オープンでデータに基づいたEdTechエコシステム* を構築していきましょう。
具体的には、EdTechのエコシステムをゼロから構築する場合、アセスメントプログラムとして、QTI**のオープンスタンダードに基づいた、LTIの機能を活用した相互運用可能なアセスメントソフトウェアを選択することをお勧めします。 LTIをサポートするプラットフォームでは、教育プラットフォーム間での起動や通信が可能なため、アセット、アイテム、テストを他のベンダーに移植することができます。
オープンなデジタルアセスメントプラットフォームは、複雑さを伴う従来の教育システムや様々なアプリケーションとのスムーズな統合を容易にし、最終的に、テクノロジーソリューションを接続するために費やす時間、費用、リソースの削減につながります。
アセスメントプラットフォームを検討する際、アクセシビリティとセキュリティは非常に重要な要素であり、アセスメントソフトウェアが、拡張性と安全性を備えていることで、学校、管理職、教員、児童生徒のニーズ及び革新性の両方に対応することが可能になります。
このような要件を満たすため、次世代の学習成果を実現するための統合機能をサポートしている相互運用可能な(インターオペラビリティを備えた)アセスメントソフトウェアを活用してください。教育コンテンツ、テストプラットフォーム、アクセシビリティツール間の円滑な統合とデータ交換が可能になり、学校はその技術を使ってより多くのことを行うことができるようになります。
しかしながら、新しいソフトウェアが既存のシステムに接続できない場合、そのソフトウェアの本来の力を発揮することはできません。
* 他のサービスと相互に連携することでお互いに利益を享受し、お互いの存在を支えていく状態。
**Question & Test Interoperability、略称QTI。米国の国際標準化団体IMS Global Learning Consortiumによって策定される、「テスト・ドリルの相互運用」に関する技術標準規格のこと。
新しいアセスメントソフトウェアが既存のシステムにスムーズに適合し、新たなニーズに対応できるようにするには、どうすればよいのでしょうか。
学校のICTシステム内に相互運用性を確立することで、テストと学習を一体化することができます。
コンピュータ適応型テスト(CAT*) IMSグローバル(IMS Global)が定めた仕様であるコンピュータ適応型テストにより、教員は個々の児童生徒の教科の習熟度に合わせたアセスメントを作成し、データに基づいた授業の成果を把握することができるようになります。
学習管理システム(LMS**)すでにお使いの学習用アプリケーションと統合することで、アセスメントソフトウェアは管理者や教員がリアルタイムで成績表を確認できるようになります。
デジタルアセスメントソフトウェアは、私たちの教育方法と児童生徒の学習方法の革新を体現します。
パーソナライズ機能、自動採点機能、高度なデータレポート機能を備え、形成的評価や定期試験に対応し、学習カリキュラムや児童生徒の学習成果に関する情報提供のできるアセスメントソフトウェアを選定してください。
TAOは、信頼性の高いテスト、測定、採点、データ収集を行うための設定可能なアセスメントソリューションです。TAOは、はじめてでも安心してお使いいただけるよう、すでにお持ちのデジタルプラットフォームに組み込んだり、新しいアセスメントソリューションを一から作り上げたりすることができます。
デジタルアセスメントソリューションについて、詳しくはお問い合わせください。
* Computer-adaptive Testing、略称CAT
** Learning Management System、略称LMS
「株式会社インフォザイン」は、東京 上野にオフィスを構え、教育とテクノロジーを融合させたEdTech分野でビジネスを展開しています。
「オープンソースとオープンスタンダードを活用し、教育の未来を創る」ことを目指し、特に力を入れているのは、ルクセンブルクのOAT社が開発したWebベースでアセスメント・テストを実施するためのCBT(Computer Based Testing)プラットフォーム「TAO」をベースとした新サービスの開発と提供です。
オンラインアセスメントのためのSaaS版CBTプラットフォーム「TAOクラウドJP」をはじめ、学力調査、大学入試、各種資格・検定試験などのCBT化に実績のあるアセスメントサービスを提供しています。
また、教育DXを推進するため、教育に興味を持っているITエンジニアはもちろん、教育分野に課題意識を持っている人材も広く募集しています。
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